マイグレーションサービスはさまざまなハードウエア、ソフトウエアを最新の環境へ移行する、もしくは指定した環境へ移行する作業ですが、すべての構成で可能なわけではなく、作業が難しい案件も多数あります。マイグレーションが難しい事例の1つはアップデートするソフトウエアが特殊であり、また、仕様書やソースコードが残っていないケースです。ソフトウエアのマイグレーションでは新OSで対応できない場合はソフトウエアの書き換えが行われます。しかし、対象となるソフトウエアのソースコードや仕様書がない場合、新規に作り上げるケースが多いのですが、各種コストがかかることから採用されないケースも増えています。

2つ目の事例はハードウエアが特殊なケースです。新しいハードウエアに移行する際、元のハードウエアが汎用機や専用機である場合はすでに販売が行われていないケースも多くマイグレーションが難しいケースが増えています。多くのメーカでは移行プロセスを公開してX86系など市販のサーバに移行することを求めていますが、アプリが特殊なケースやすでにデータ量が多いサービスである場合など移行が難しいケースが多くなっています。他にも移行が難しいケースがありますが、その場合には仮想化を行ってハードウエアから離すことが行われます。

仮想化では汎用機を含め多くのOSをX86やPowerPCなどのサーバOS上で実現しており、ソフトウエアをアップデートすることなくそのままの使い勝手を維持することが可能になっています